2021年1月24日

バードソン2021(はじめまして、トモエガモ、ホオアカ、イカルチドリ、タヒバリ)Birdathon 2021

今年もバードソン(*)で始まりました。 

(*)期間中に出会った野鳥の種数を全国のバーダーと競うゲーム。観察記録をスマホやPCから入力すると、ほぼリアルタイムで順位が表示され、追い越したり追い抜かれたりしながら野鳥を探し続ける。各地で入力された観察記録は、野鳥の越冬調査に役立てられる。

結果は去年より12種多く見つけて、順位も22位上がりました。前半に見つけやすい鳥を見つけた後は、残りの期間で見つけたい鳥をリストアップし、豊田市の鳥類調査結果()も活用して、目当ての鳥を絞り込んでから出発。そのおかげで見つかった鳥もいるけれど、ふだんから歩いている土手や、ふと立ち寄った場所で思いがけず出会った鳥も多かった。17日間の印象深い出会いを記録します。

1月2日 藤前干潟

干潮時間を目指して行ったが、期待したシギ類はおらず、カモメ類は遠すぎて種が特定できず。

遠すぎて分からない

干潟はあきらめ、残りの時間を、急遽探し出した戸田川緑地に賭けた。ミコアイサ♂♀に遭遇。

換羽度合の違う♂が3羽と♀が1羽

1月3日 児ノ口公園

一度じっくり探鳥してみたかった公園。豊田市の鳥類調査結果をさらに詳しく調べていたら、約20年前(2002~2003年)には、この公園にアオバズクが営巣していたという調査結果()に出会った。この日に出会った鳥は10種類と控えめだったが、イカルの群れやシロハラ、アオジなどがいたのには納得。

モミジのタネをぷちぷち音をたてながら食べるイカル

マユミの実を羽ばたきながら捕らえるジョウビタキ♀

シロハラ この公園ならいるだろうと思った


同行の夫が「(体が)冷えたなぁ。ちょっと近くまでドライブしよう」と言い、夕暮れ間近に矢作川に向かう。 なじみのカモ類だけに見えたけれど、しばらくすると、遠くに川を横切る数羽・・・オシドリのシルエットだ!


 やっぱり!

逆光に浮かび上がるオシドリ♂のイチョウ羽(先頭は♀)

その後、まさかのトモエガモまで出現。

はじめまして、トモエガモ♂(右の2羽)

1月5日 朝の犬の散歩

ハイタカが現れた。去年もこの時期(1/12, 20)だった。

ハトより少し大きい、小型の猛禽類

午後はヤマセミとカワガラスを目当てに矢作川上流に向かい、オシドリやカワアイサ♂発見。カワアイサの名があるとはいえ、川で会うのは初めて。

これまでに遭遇したのは山中湖と蓼科湖

第二のヤマセミ候補地に向かいながら、夫に「オシドリって木に登るんだよ」と話していたら・・・まさにそんなオシドリたちを発見。

木登りオシドリ♂♀

第二のヤマセミ候補地でオシドリを撮っていると、ケッケッケッケッ・・・という声がして、下流方向に飛んでいく白っぽい鳥が・・・ヤマセミだ!夫も「あの声は間違いない」と。

 

1月6日 朝の犬の散歩

雨が少なく、水位が下がった堰は小さな水鳥たちの恰好の採餌場所となっている。タシギも数日おきに見つかる。


今年初の103土手さんぽ

前日に見たハイタカ?こんどは畑の脇で遭遇。


1月7日 大寒波がやってくるまでのわずかな時間に矢作川へ

歩き出して数分後、キョッキョッキョッという鳴き声。目を凝らすと、アカゲラ発見。どこに探しに行こうかと思っていたところだった。

1月8日 平芝梅林公園

本格的な防寒をしてクロジ探し。長らく待って撮影も成功。


1月9日 朝の犬の散歩

近所の川で初めてオカヨシガモを発見。カルガモに連れられてやってきたのかな?

オカヨシガモ♂(右)

八つ谷池(やつばいけ)

1年ぶりの再訪。薄氷が張っていただけでなく、ここにも希少種のトモエガモがいて2度びっくり。

他のカモと違い、池の中心部に留まる慎重さ

このような顔の模様を巴(ともえ)模様と呼ぶのだそう

 

夕暮れ間近に早足で103土手さんぽ

オカヨシガモは朝とほぼ同じ場所にまだいた

2017年1月26日以来、4年ぶりにコサギを発見!ようこそようこそ!

1月10日 師崎港へ

目当ての海鳥を探すべく、奔走。スズガモが1羽も見つからなかったが、予期せずウミアイサがいた。

ウミアイサ♂

カワウとウミウの識別はまったく自信がなく、かなり遠くの防波堤に群れを発見したけれど、どっちがどっちだか??なので、できるだけ多くの候補を写真に撮り、帰宅後に調べた。いったんは、カワウしか写っていないと思ったけれど、翌日、『海鳥ハンドブック』という本の「カワウとウミウの識別(p. 70-71)」というコラムを熟読したら、ウミウも写っていることが判明。写真を残しておいてよかった!

なんかずいぶん大きさが違って見えるなぁと思ったら、大きいのがウミウだった

いろんなカモメや、カワウやウミウでごったがえしていた防波堤
 

続いて、2年前に群れを見かけた海岸へ行ってみると、今年もやって来ていた。この近さなら、写真を残せば確実に識別できる。

灰色の濃いのがオオセグロカモメ(中央)、薄いのがセグロカモメ

 

1月11日 朝の犬の散歩

コガモとイソシギとタシギ ---1つの写真に3種もの鳥が入るなんて、まれなこと。直前まで近くにいたバンも入れたかったなぁ。

左からコガモ、イソシギ、タシギ

 4年ぶりのコサギに続いて、初めてゴイサギ出現!

一度近くで会ってみたかった鳥

午後、森の鳥に狙いを定めて、自然観察の森へ。

カケス、ルリビタキ、アオゲラ、トラツグミを確認。

2017年以来4年ぶり トラツグミに遭遇(まだ2度目)


 1月12日 雨上がりを待って、午後の犬の散歩

 近所でいちばん高い建物の避雷針の上に、チョウゲンボウ発見

夕暮れ近くに103土手さんぽへ 再びコサギ発見

薄暗くなりかけた視界に、はじめましてのホオアカ♂ 鮮やかな色を日中に撮りたかった


1月13日 朝の犬の散歩

時期的にそろそろ現れるかもしれないと思っていたオオタカ。数日前にハイタカを見かけたときとほぼ同じ距離だったから、大きさの差は明らかだった。白い胸~腹部が膨張して見えたのでいっそう。

昼近く、浄水の池へハシビロガモを目当てに行くも、去年同様、この時期になるといなくなっている・・・代わりに換羽を終えたヨシガモ♂が。

ハシビロガモ第二候補地として、昨年末に初訪問した和田ケ池へ。いた♪ 20羽近く、集団でくるくる回りながら採餌中(回ることで対流が起きて水中の餌が集めやすくなるのだそう)

ハシビロガモ旋回中

 

1月14日 昭和の森の長根池

こちらも少雨のせいか水が半分くらいしかなく、水鳥はセグロセキレイ1羽のみ。諦めて帰る途中、御船川沿いの緑地帯と、水の入った田んぼをのぞいてみた。歩き始めてすぐ、上空にノスリ発見。田んぼには、クサシギのような鳥がいたものの、詳しく確かめる前に逃げられた。緑地帯では、予期せずビンズイを発見。

1年ぶりビンズイ(去年のバードソン以来)

ビンズイが現れる場所の共通点はなんだろう? 水辺に近い草地?

 

スズガモ目当てで、期間中何度目かの平戸橋公園に寄る。思いがけないソウシチョウとの接近。

じっとしない鳥がじっとした瞬間


1月15日 定例の103土手さんぽ

バードソン期間中に姿が見られる可能性は低いだろうと思っていたヒクイナとクイナが間を置かず出現。

1年前のバードソン中に「はじめまして」を果たしたヒクイナ

昨年末「はじめまして」を果たしたクイナ(中央の枯れ草の上に後ろ姿)

オオジュリン目当てで割目池へ

割目池と似た環境と思われた近所でも探したものの、見つからず、足をのばしたら期待通りいた。密集したアシの奥の方にいたので撮影は断念。

オオジュリン探しが難航した割目池のアシ原

駐車したすぐそばに、ルリビタキ♀ バードソン中に計3箇所で遭遇した

割目池も水が減っており、干上がった水辺にタシギ2羽確認

1月16日 朝の犬の散歩中

アカゲラ発見。数日前から少し調子が悪かったカメラ本体のボタン類がついに故障。夫がすぐに本体の中古品を注文してくれた。故障は2年ぶり2度目。

この状態で前進していく

そろそろ行けそうな場所も限られてきた・・・残り2日となったこの日は、豊田市の鳥類調査結果を頼りに、イカルチドリやタゲリなどが観察されたという、矢作川沿いの千石公園に初めて足を向けてみた。石ころいっぱいの水辺をじっくり目で追うと、いた!

かろうじてまだ使えるカメラで撮って後で調べると、はじめましてのイカルチドリだった。石の色にそっくり。

豊田市の鳥類調査結果のおかげです!


さぁ帰ろうと、駐車場へ向かおうとすると、ん?ハクセキレイにまじって10数羽ちがう鳥が闊歩している。

ハクセキレイ(手前)よりひと回り小さいけど


この姿勢はセキレイそっくり 体の模様はビンズイそっくり みなセキレイ科のなかまだから?

長らく会ってみたかったタヒバリでした はじめまして!


1月17日 バードソン最終日 

再度、昭和の森の長根池とその周辺を探鳥。新しい出会いはなく、再び帰路に御船川沿いの緑地帯と、水の入った田んぼで探す。3日前にビンズイを見つけた緑地帯では、ツグミとトラツグミが餌探し中だった。水の入った田んぼでは、5羽ものタシギがいて固唾を飲んだ(私の中では1箇所にいるタシギの数として最多)。近所の田んぼにも水が入っていたらよいのに・・・

5羽ものタシギが見つかり、静かに大興奮した田んぼ

4年ぶりに会えたトラツグミ わずか17日間で2度も会う

さいごのさいごに、スズガモ目当てに平戸橋公園の池を再訪。マガモ、コガモはいるけど、スズガモはいない。だめか・・・池全体をぐるりと見渡したとき、薄暗がりに立ち尽くす大きな鳥。またオオタカだ。

微動だにせず、何をしているのかと思ったら、オオタカの大きな足の下にマガモ♀が捕らえられていた。この斜面でくつろいでいたところを襲われたのか。切ない光景で17日間がしめくくられることになった。


17日間のバードソンを終えて

どこにいても、耳を澄ませば鳥の声は聞こえるけれど、いざ特定の鳥を探すとなると、身近な鳥以外は簡単ではない。そうした鳥は、身近な鳥に比べると、特定の環境を好む。たとえば、「日陰ぎみの藪」とか「大きめの石ころが多い河原」とか「人の手が入りにくい林」とか。今回、千石公園ではじめて遭遇したタヒバリのように、河川敷の中でも、ある程度の広さを好むのか?(=私の近所の河川敷にはなぜいないのだろう?)といった、微妙な好みも予想される。微妙であればあるほど、変化の影響を受けやすいのかもしれない。さらに、「見当たらない」と思っても、イカルチドリのように小石そっくりで「見えない」だけということもあることを、あらためて肝に銘じよう。

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