2019年10月3日

はじめまして、ハシビロガモ Shovelers

9月27日の矢作川での出来事。羽を探したいけど、カモたちがいるからやめておこうか・・・。迷いながら群れをよく見ると、カルガモに混じって、見慣れないカモがいました。


えっ、くちばしが・・・!


こんなの見たことない!


カルガモ(右下↓)と比べると少し小さい。


はじめましてのカモ、ハシビロガモでした。名の通り、くちバシがヒロい。



このとき眠っていたハシビロガモ↓は、メスとよく似た色ですが、虹彩が黄色いのでオスのようです。メスの虹彩は褐色なので、見分けやすい↑。オスは、地味な非繁殖羽(エクリプス羽)から色鮮やかな繁殖羽へ換羽中。


3羽のうち、いちばん距離が近かったこちら↓の個体もオス。換羽の進行がひと足早いエクリプスです。水色と緑の2色の組み合わせがチラリ。


『原寸大写真図鑑 羽(文一総合出版)』で調べると、カラフルな羽の成り立ちが分かりました。



腹の換羽はだいぶ進んで、鮮やかな赤茶色。これから冬にかけて、黄褐色の胸の羽は真っ白に、顔は暗緑色に変わっていくようです。



『カモ類の観察(トンボ出版)』によると、お尻のそばに、脂が出る腺(尾脂腺)があるそうで、カモ類は羽繕いしながら、その脂を全身に行きわたらせているそうです。カワウはこの脂が出ないので、しょっちゅう羽を広げて乾かしていると聞きます。


家でカルガモの羽を洗ったときも、中性洗剤を垂らすまでは、見事に水面に浮いていました。軽いだけではなく、はじくからなのでしょう。


靴ベラのようなくちばし。エクリプスでも色鮮やか。


複雑な羽の重なり。尾羽が12枚見えるけれど、図鑑によると通常は16枚だそう。4枚抜けているのかな。


初列風切、初列雨覆、小翼羽・・・ふむふむ、よく見えます。


長い舌。


くちばしの裏側はこんなふう。まっ平じゃなかった。どのカモもそうなのかな?


3羽のハシビロガモが並んだところ。左から、換羽の遅いオス、早いオス、メスと思われます。この日、キンクロハジロの♂も1羽見かけました。こちらもエクリプスで、白い部分に褐色が混じっています。


こちらは、左から、換羽の早いオス、遅いオス、メス。


カモたちが去った後、羽を探しに行くと、葉っぱや羽のほかに排泄物も。鳥の排泄物というと、白いものだと思っていたけれど??


気候もよいうちに、カモたちの変身ぶりを観察に行こう。

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