2015年6月15日

桑の実染め Dyeing with the color of mulberry

去年は桑の実の美しい赤色が定着しなかった・・・。今年は!紆余曲折をまとめてみます。
  • 桑の実は火にかけず、食酢と水で手でもみこんで色素を出しました。
  • 媒染はみょうばん。前回と変えて後媒染にしたけれど、順序は先でも後でもどちらでも結果に大差はない印象。
  • もみ込んだ後は面倒でも実を濾して染液を作るべし(濾さないとつぶつぶが繊維につき、そこだけ濃い色に染まったりする)。
  • 無媒染だと本来の赤い色が残り赤紫に染まるが、みょうばん媒染だと赤みが抜けて青紫に。赤い色素は堅牢度が低いという情報があるけれど、1年後の桑の実がなる時期にまた染め直すつもりでどうでしょう。実験してみます。
  • みょうばん媒染が先の場合も後の場合も、「赤みが抜けた」「色が極端に薄くなった」ときは、がっかりしてそこで終わらずにもう一度染液へ。染液に浸したままか、浸してからボウルなどに取り上げて放置するなどして1時間以上待ったら、(私は試行錯誤しながら2,3度染液に浸したのですが、)かなり濃く染まりました。ポイントは、みょうばん媒染を最終にしないこと。最終ステップを染めにすると、その後、水道水で洗っても大して色が抜けず、青紫色が定着しました(赤紫色はのぞめない)。
  • 出したい色柄によるけれど、部分的に何度も染液をかけ流したりして濃淡を出す方法は有効(染めらしい仕上がり)。かけ流し回数は様子を見ながら、乾くと薄くなることを考慮して多めに(10回くらいとか)。
  • 以下、各ステップの後は水道水で色が出なくなるまで洗っています。
今回染めた綿100%のタンクトップ、Tシャツ、中袖シャツ

無媒染で段染め中のタンクトップ(実は必ず濾しましょう!)

麻糸も無媒染でよく染まりました

無媒染で中袖シャツを浸しているところ(常温)

左:水で薄めた桑の実染液、右:みょうばんと反応した染液

染液→みょうばん→乾いてから湿らせて染液かけ流し(タンクトップ)

染液→みょうばん→染液→乾いて湿らせて再び染液(Tシャツ)

染液かけ流し後、シンク脇で放置中(Tシャツ)

無媒染で染まった麻糸(と私の指)

植物で染めた色にしては異例の濃さ

絞り染め、乾いた後(タンクトップ)

同上

絞り染め後、乾く前

同上

無媒染で染まった麻糸で編んだドイリー
(『かぎ針あみモチーフとおしゃれこもの』P12-13より)

試着タイム。今回思いがけない結果に驚きました。同心円状の模様を出すべく、今回は本で学んだように割り箸を差し込み、輪ゴムやプラひもで縛ったりしたのですが、染まった模様は同心円よりも、むしろ、割り箸の挿入方向の放射状の線が目立っていました。染液に浸しっぱなしではなく、何度かのかけ流しの後、空のボウルやシンク脇に放置していたので、折り畳んだヒダの部分に染液がいきわたらなかったからだろうと思います。かけ流す方向を中心から外側に向かって一様にしたことで、色の濃淡もはっきり出たようです。


控えめですが、よく見ると同心円状の模様も出ています。



面白い結果に気をよくして、Tシャツは同じ模様を肩と腰の2か所にして染め直しました。反乾き状態で試着。少しタンクトップよりかけ流し回数が少なかったか、色の濃淡が弱めでした。

黄色の光の下なので実際の色を写しにくいです

肩の模様(カメラひっくり返しの術)

一方、さいごまで無媒染で通した中袖シャツは、赤みが残りました。秋ごろも着そうなので、絞り模様はやめておきました。


2016年6月12日追記:
たくさんの方にこの記事をご覧いただいているので、その後のこともお伝えします。桑の実で染めた美しい紫色は、残念ながら1年以内にかなり褪せましたが、薄れた色にも味わいがないわけではありません。

タンクトップ

Tシャツ

ドイリー

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